第75章 *拡大デンジャー*
管制室に侵入したカローンたちは一瞬でガラスの棺に閉じ込められ、その動きを完全に停止した
『わ、すごい。林檎くん、一回で出来たね』
エペル『やった!今度だば上手ぐ閉じ込められだ!』
『行こ!』
エペル『ああ!』
嘆きの島・S.T.Y.X管制室
四人で一斉に管制室に駆け込むと、そこには待ち望んだ相手とその周りには嘆きの島の職員たちが何人もこちらを見つめていた
エペル『ヴィルサン!やっと見つけた!』
ヴィル『エペル!』
自らの元に駆け寄ってくるエペルにヴィルは思わず笑みが溢れる
ルーク『ああ、我が愛しの毒の君!会いたかったよ!』
ルークもようやく会えた喜びを隠すことなく、ヴィルの元に駆け寄っていく
ユウ『みなさん無事で良かったです!ね、レイラ!..あれ?レイラ?』
こういう時は真っ先に駆けていくはずのレイラが立ち止まっままなことに気づき顔を覗き込むと、ポタポタと雫が落ちて床に染み込んでいくのが見えた
『ぅぅ..っ..』
ユウ『..ほら、先輩達みんな無事だよ。行って来ていいんだよ』
震える背中をさすり、促すようにポンポンと叩いてやると、レイラは無言で頷いてヴィルたちの方へとゆっくり向かっていった
一方、まさかの人物の登場にヴィル以外のメンバーは驚きを隠せずに目を見開いていた
ルーク『おっと。ヴィル、君たちの身を誰よりも案じていた愛らしき小兎を、どうか優しく迎えてくれないかい?』
ヴィル『そうね。あんなに泣かれてちゃ、そうしないと後が怖そうだから』
驚いて固まっている他を置いて一歩前に出ると、そっと両腕を広げる
ヴィル『レイラ。ほら、こっちへ来なさい』
『ぅっ..ヴィル、さ..』
名を呼ばれ歩くスピードを速めると、目の前で優しく迎えてくれるその腕の中に飛び込んだ
『ぅぇぇぇ..っ..よか、た..無事、で、よかった..っ』
ヴィル『あんたも怪我してなさそうで安心したわ。あたしたちのこと、そんなになるまで心配してくれてありがとう』
背中に回った腕が震え、しがみつくその強さにレイラがいかに自分たちを思ってくれていたのかを痛感し、感謝と安心を与えるために優しく抱きしめ、そっと頭の上にキスを落とした