第75章 *拡大デンジャー*
エペル『でもまだ座標を定めるのが難しくて..カローンを全員捕まえるのに手こずっちゃった』
ルーク『ははは!覚えたてで使いこなせる人なんかいやしない。大丈夫、すぐに上達するさ』
『林檎くん..』
エペル『ん?なに?』
『あの、ありがと..助けてくれて。眠っちゃう前にね、聞こえたの..林檎くんの声が。凄く力強くて、何だか安心したの。でも分かった..このユニーク魔法に包まれてる時、守られてる感じがしたからなんだって』
エペル『えっ..』
『林檎くんにギュッてされたときと同じくらい』
エペル『あのっ、それは..//えっと、お、俺実は..魔法放つとき、1番に頭に浮かんだのがレイラの顔で..』
『私?』
エペル『その、レイラのこと守るって言ったし、なのに何もできないままなのかなって思ったら、体が勝手に動いて..』
ルーク『ふふ。レイラくんへの愛が君のユニーク魔法の発現を促したんだね』
愛と言われ途端に顔にぶわっと熱が灯るのを感じ、慌てて首を横に振った
エペル『ち、違っ//!これはそうじゃなくて..』
『違うの?』
エペル『うっ、違、く、ない、デス..//』
『良かった』
エペル『(か、可愛い..)』
否定しようとしたが淋しげに顔を曇らせるレイラにそれ以上言うことはできず取り消すと、ふわりと笑顔を見せられ更に顔が熱くなった気がした
ユウ『レイラ』
『ユウ?あ..』
優しい雰囲気に包まれた空気を打ち消すように、ユウの発した声はとても冷たいものだった
一人真剣な表情で立ち上がると、レイラの側まで歩きその場に腰を落とした
『え、と..』
ユウ『なんで僕が怒ってるか分かる?』
『っ、で、でもあの時はそうしないと、ユウたちが..っ』
明らかに不機嫌な声に顔を背けながら言葉を紡ごうとすると、両頬に手が置かれ優しく、けれど強引に顔を上げさせられ、怒りと悲しみの混ざったような顔が目に入る
ユウ『ちゃんと目を見て。約束したよね?無理はしないって。先生にだって言われてたのに、どうして毎度自分から危ない方へ行こうとするの?』
『...』