第75章 *拡大デンジャー*
どう言っていいか分からず、目を泳がせていると強めの口調で名前を呼ばれ、ビクッと肩を震わせながらユウと目を合わせる
エペル『ユ、ユウ?そんな怒らなくても..』
ユウ『いや、怒るよ。一回二回の話じゃないからね』
『..ご、ごめん、なさい..』
ユウ『僕の質問に答えて』
刺すような視線と口調に耐えきれなくなり、ジワジワと涙が溢れ出る。一筋の線が頬を伝うと、僅かにユウの目が驚いたように開かれるが、またすぐに表情を締めて問いかける
ユウ『どうしていつも危ない方へ行こうとするの?』
『..助けたい、の..みんなが、いつも、助けてくれる、から..っ..』
ポロポロと涙を流しながら何とか言葉を紡ぐ。頬に添えたユウの手に温い雫が染み込んでいく
ユウ『でもレイラが怪我したら僕達が悲しむのは分かってるよね』
『でも..っ、でも..大切な人だから、守りたいの..それに、』
ユウ『それに?』
『ユウだって..っ、私が、危なくなったら、助けに来る、でしょ』
ユウ『...』
『ぅぅっ..ぅぇぇっ..』
ついに声を出して泣き始めたレイラに、ルークとエペルはギョッとして内心焦り始めた
ユウ『..そう、だね。きっとレイラの立場なら僕も無茶をすると思う。でも、やっぱり違うんだよ』
泣き崩れる体を抱きしめると、耳元に口を寄せて優しく囁く
ユウ『君が..君だから失いたくないんだ。立場がどうとかじゃなく、君を失うのが怖いんだ。みんなだってそう思ってるから、無茶してほしくない』
『ユ、ウ..』
ユウ『怪我してない?』
『ひっく..ん..』
ユウ『良かった。ごめんね、怖い思いさせて。本当にごめん』
『ごめ、なさ..っ』
ユウ『しーっ。もう怒ってないから、ゆっくり呼吸して』
言われたとおりに乱れた呼吸を整えていると、その間に頭を撫でられあやすように瞼の上にキスを落とされ、頬に残った涙を優しく指で拭われる
ユウ『ありがとう、守ってくれて。今度は、僕がレイラを守るからね』
『ん..』