第74章 *心境オープン*
エペル『え!?』
ルーク『おっと。君にはもうバレていたようだね。鋭い観察眼に確かな予測能力..やはり君は素晴らしい!』
『化粧品の"おまじない"で分かったもん』
ニコニコと嬉しそうに歓喜するルークと少し照れたように視線をそらすレイラの横で、何が何だと言わんばかりに頭の上で?を浮かべる二人は互いに顔を見合わせ首を傾げた
ルーク『ああ、君の魅力はまだまだ奥深そうだ。是非とも見てみた、』
『いいから早く打って』
頬を膨らませながら催促するそれが照れ隠しだと分かっていたため、ルークは笑みを浮かべたまま"すまないね"と言い、魔力を集約し始める
ルーク『"ほら、私から逃げ切ってみせて..果てまで届く弓矢"』
魔力の矢を放つとそれは部屋の壁など関係なく通過していき、それと同時に頭の中に本部の地図と痕跡の光がポツポツと浮かび始める
ルーク『..ヴィルたちが個室から出て、本部の中を移動し始めている』
エペル『え?ヴィルサンたちには会えなかったし、ユニーク魔法はかけられていないはずじゃ..?』
『預けた化粧品に入ってたおまじない。あれにユニーク魔法かけてた』
エペル『はぇっ!?人間だげでねぐ、道具さも目印つけられるってことな!?』
ルーク『ふふふ。私が狙う獲物は、人間に限らないからね。受け渡し前に魔法効果をスキャンされてしまう可能性も高かったが、どうやら免れたらしい。果てまで届く弓矢の目印は、毒性も攻撃性も帯びていない。一見何の効力も、意味も持たない魔法に見えるはずさ。
コスメに"おまじない"程度の魔法が込められているのはよくある事だからね』
ユウ『レイラは何で分かったの?』
『これもなんとなく。でも最初は、その化粧品をヴィルさんがつけたらそれで魔法が効いて目印になるのかなって思ってたけど、化粧品がそもそも目印になるのは分かんなかった』
ユウ『てことは、最初から化粧品を目印に使うって分かってたの!?』
『狩人さんのユニーク魔法分かるまでは全然思ってなかったよ?でも分かった後、ヴィルさんにどうしても届けてってお月さまに言ってた時に、多分目印にして後で行くつもりだったのかなって』