第74章 *心境オープン*
ブツンッ!!!
突然部屋の電気が一斉に消えたかと思うと、全員が布を被されたように視界が真っ黒に染まる
エペル『わっ!!な、なんだ!?』
ユウ『電気が消えちゃった!レイラ、大丈夫!?』
『びっくりしたけど大丈夫。これユウの手?』
ちょんちょんと触られる感覚に握り返すと、触り慣れた小さな温もりがピクッと動いた
ユウ『そうだよ。良かった..僕から離れちゃだめだからね』
『ん』
ルーク『みんな落ち着いて私の声の方へ』
3人でルークの先程までいたところへ行くと、少し目が慣れてきたのもあってうっすらと全員の姿が視認でき始めた
それと同時に非常用の明かりがソファの下、天井近くの壁の装飾が光り、ある程度周りも見えるようになってきた
ルーク『よし、全員いるね』
エペル『ど、どうしたんだろう?急に電気が消えちゃった..』
ユウ『確かここにタブレットが..ダメだ、電源が入らないです』
テーブルに置かれていたタブレットをタッチしても電源ボタンを押しても何もならないのを横目に、ルークは壁に設置されていたデバイスを手に取り一通り押して見るが、何も反応を示さない
ルーク『本部へ連絡できると言われたデバイスも、反応しないね。ドアのロックも開かないようだ』
エペル『じゃあ、僕達この部屋に閉じ込められちゃったってこと?』
『..なにか聞こえる』
エペル『えっ、なにかって..』
ルーク『..しっ。ドアの外が少し騒がしい。レイラくん、ここへ来て聞いてみてくれないか?』
『分かった』
手招きされるままにドアの方へ近づき耳をくっつけて集中すると、部屋の外からバタバタと忙しない足音と、職員たちの焦りと驚愕の混じる声が次々と耳に入ってきた
『ぅ〜..みんな喋っててよく聞き取れないけど、みんなこのことにすごく慌ててる。多分、トラブルが起こってる』
ルーク『どうやらこの島の人間にとってもこの停電は想定外の出来事らしい』
『ぁ、みんな"本部へ急げ"って言ってる。お月さまのところへ行くみたい』
エペル『僕達は、どうしますか?オルトクンが来てくれるまでここにいたほうがいい..かな』
ルーク『ふむ..少し待っていてくれるかい』
ユウ『一体何を、』
『ヴィルさんたちの場所..』