第73章 *海上フライト*
『ぅ"〜..』
エペル『レイラチャン..?あの、僕のお腹に顔埋めるの、くすぐったいんだけど..』
『や?』
エペル『別に嫌ってわけじゃ..』
『じゃあもう少しだけ』
エペル『う、うん..』
先程までユウに膝枕をしてもらっていたレイラだったが、何故か突然エペルに乗り換えて、彼の腹に顔を埋めて唸っていた
エペルは普段されたことないことに加え、相手が女子だということにしどろもどろになっていた
一方乗り換えられてしまったユウはギリギリしながらエペルを恨めしそうに見ていた
『林檎くんの膝も気持ちいい..ね、撫でて?』
エペル『あ、うん。じゃあ、さ、触るね..』
『〜♪』
ユウ『(くそぅ)』
オルト『それにしても、人間って本当に理解し難い..いや、予測できない行動をするよね。中でも驚愕に値するのは、この島へたどり着いた方法。ルーク・ハントさんのユニーク魔法、果まで届く弓矢だ。この情報を得た瞬間に、さっき何故君が"一目でいいからヴィルたちに会いたい"って言ったか理解したよ』
3人のやり取りを横目で見ていたオルトはルークへと視線を戻す
オルト『ヴィル・シェーンハイトさんたちにユニーク魔法をかけて、居場所を把握するつもりだったんでしょう』
イデアに似たイエローアンバーの瞳を意地悪げに細めて問いかけると、ルークも同じように目を細めた
ルーク『ふふふ、バレてしまったか』
オルト『兄さんも言ってたけど、本当にナイトレイブンカレッジの人達って油断ならないんだから』
ルーク『S.T.Y.Xがヴィルたちを酷い目に遭わせているのなら、強硬手段に出るのもやむなしと思っていたんだが、オルトくんが丁寧に状況の説明をしてくれたからね。彼らがオーバーブロット後、賢者の島の魔法医術士に適切なケアを受けていたことは知っていたけど..S.T.Y.X本部でより専門的な検査とブロットケアを受けていると聞いて、安心したよ』
エペル『ていうか、S.T.Y.Xの人達は、何でヴィルサンたちをあんな乱暴な方法で連れ去ったの..かな?』
『お話して来てもらえばよかったのに..酷いことしたの、許さない』