第73章 *海上フライト*
ルーク『なんだ、そんなことか!気に入ったなら、いつでも遊びに来てくれて構わないよ』
エペル『あんなうだでぇ別荘、気軽に遊びに行くのはとても無理..かな?ユウクンも、そう思ったよね?』
ユウ『うん、すごかった』
ルーク『ははは!今度はヴィルや元NRCドライブのみんなも呼んで、パジャマパーティーでも開催しよう。たまにきょうだいが使っていることがあるけれど、事前に連絡をしておけばいつでも使わせてくれるはずさ』
エペル『あ、ルークサンってきょうだいがいるんですね。何人きょうだいですか?』
ルーク『上に2人、下に3人の6人きょうだいだよ』
エペル『へえ、6..えっ、6人!?多いですね!?』
ルーク『これだけ人数が多いと、顔を合わせるのは年に1度くらいだけどね。予定を合わせるのが難しくて。でも、全員揃うととっても賑やかだよ。ははは!』
エペル『おかしいな..ルークサンのことを知れば知るほど、より謎が深まっていく..』
ユウ『ほんとそれ』
『分かる』
難しい顔で頷く3人をニコニコと見守りつつ、レイラを抱えた腕で器用にポケットの中の地図を開いて現在地を確認すると、驚いたように目を見開いて全員に声をかける
ルーク『..はっ!エペルくん、ユウくん、レイラくん。もう少しで"果まで届く弓矢"でカローンにつけた印が消えたポイントに到達するよ』
エペル『!!そこに嘆きの島が..』
ルーク『ああ、下降してみよう』
ルークとエペルはなだらかなカーブを描くようにして雲の下へと降りていった
そろそろ目的地に到着するはずだったが、辺りを見渡しても島の姿はなくただ広大な大海原が広がっているだけだった
エペル『あれ?島どころか浅瀬も見当たらねぇ。ルークサン、本当にここで合ってるんですか?』
ルーク『間違いない、ここに..ヴィルたちがいるはず!』
ユウ『え、でも何もないし』
キョロキョロと見渡すも何も見えず首を傾げる。すると、ルークの腕の中で目を閉じて無言で耳を動かしていたレイラに、僅かながら機械の動く音が入ってきた
『いる』
ユウ『え?いるって、ここに?』
『ん。見えないけど、動いてる音が聞こえる』
ルーク『素晴らしい聴力だ。おっと、相手方もこちらに気づいたようだ』