第73章 *海上フライト*
まだ覚醒しきっていないためフラフラと歩くレイラを心配し、サッと隣に立つと流れるような仕草で小さな手を取り、朝食用意してあるテーブル横の椅子にエスコートした
ユウ『(やられた..タイミング逃した)』
『ん、ありがと』
『むぐ..』
エペル『あっ、口元についてるよ』
『ん?ぅぅ..ありがと林檎くん』
エペル『(可愛い)可愛い..』
『ん?』
ユウ『あ"?』
エペル『え!?あっ、いや..(やべ、口に出でだ..)』
ルーク『微笑ましいね』
上空
朝食を終えて少しの休憩を挟み、4人はすぐ別荘を出発した。道標が分かるルークを先頭に、昨日と同じくらいのスピードで上空高く雲の上を飛行していく
やがて東の空から朝日が登り、眩しい光が街を包む。その眩しさと美しさにレイラは心を奪われた
『はわ...』
ルーク『どうかしたかい?』
『キレイ..』
ルーク『そうだね。朝日はいい..今日という日の始まりを告げ、全てを明るく照らす。眩しくも暖かく、木々を始めとしたあらゆる命を..』
『長いのは、や』
ルーク『おっと失礼。君と一緒にいると楽しくて、つい舞い上がってしまった』
『楽しい?』
ルーク『そうさ。君の側はとても楽しい。毎回発見があったり、身近な人の新たな一面が見られるからね』
『ふ〜ん..』
興味ないといった声のトーンに苦笑しながらも、苦手であるはずの自分とここまで会話してくれることが嬉しく感じながら、箒を握る手に力を込めた
やがて日は完全に昇りきり、朝焼けは美しい青空へと変わっていった
ルーク『青い空、暖かな日差し..今日は絶好の飛行日和だね』
少しスピードを落とし、エペルたちと並列に飛行していたルークは青空と日差しに心地よく目を細めながら、横を飛ぶエペルたちに笑いかけた
エペル『そ、そうですね』
ルーク『ん?何だか元気がないね、エペルくん。長距離の移動で疲れてしまったかな?』
エペル『それもありますけど..色々凄すぎて』
ルーク『え?』
エペル『ルークサンちの別荘が全部、とにかく凄すぎて..!』