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ALIVE【果物籠】

第2章 おかえり




急な紅葉と潑春の訪問。

更にその2人がご飯を食べにきたと言い出したのでキッチンでひまりは慌ただしく動いていた。


まず白飯が足りないので早炊きで炊き始め、残りの卵でだし巻き卵、あと何かおかずになる物はないかと探して、鮭フレークとサバの缶詰を見つけたのでそれをお皿に移していた時だった。



「ひまり久しぶり…5年…ぶり?」


後ろから声を掛けられ振り返ると潑春が立っていた。


「そうだね。もう、みんな背おっきくなってるし、大人っぽくなってるしびっくりするよ。紅葉はー…変わってないけど」

「心配した」


ふふっと笑うひまりに食い気味にそう言う潑春に「う…ごめん」と眉尻を下げる。


「何も言わずに、いなくなったのはひまりの意思じゃなかったって、聞いたけど、それでも…連絡も無かったし…ほんと、心配した。…特に由希と夾は、凄かった」



それは初耳。



驚いた表情をして見上げると、優しい笑顔でひまりを見ていた。


「もう勝手に、いなくなるの禁止…残された方は、たまったもんじゃない…」


ポンとひまりの背中を叩いて居間の輪の中に戻っていった。




そうだよね…



残された方は…





(……うま…なきゃ…よかった…)



心臓が締め付けられるように痛い




最期の母の言葉が蘇る




残された方は…そんな言葉を最後に




残された私は…





「ひまりはとってもリョーリジョーズね!!玉子焼きとっても美味しいよー!!」



居間から聞えてきた紅葉の声で、ハッと我に帰る



また…



落ち着け…




「ほんとー??ありがとー!!」




用意した追加のおかずを食卓に持っていく。




草摩の…

十二支のみんなと再会してから心がやたら乱される



しっかりしなきゃ






「もうすぐご飯炊けるよー!!」



ヘラヘラしながらまたキッチンに戻っていくひまりを見て夾が眉を潜めた。



「お前、アイツに何言ったんだよ」


さっきキッチンに行って会話していた潑春を横目に見て問うと、うーん…と上を向いて遠くを見始めた。




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