第20章 全てを差し出そう
足の指、踝、脛と、舌を順番に這わせる。そして最後に、ひくついている私の蜜壺にも――
「だっ、だめですよ無惨様! そんなところっ……!」
「うるさい。じっとしていろ」
吸って、弾いて、甘噛みして――溢れ出した精液も蜜も舐め取って、今度はその長い舌を中に滑り込ませる。さっきまでの乱暴さはなくなり、ひたすらに丁寧な愛撫が続けられていく。
「あ、やぁっ……は……」
膣壁を舌でこすられるだけでも気持ち良くてたまらないのに、蕾と胸の突起まで指でくりくりと撫で回される。
押し寄せる快楽の波に耐えきれずに、自分でも恥ずかしくなるぐらい高い声が漏れた。
「あぁあ……だめ、凄い、あ、いく、いく、ぅああ……」
「また達したな。だが、まだまだ締まる」
舌を引き抜いてにやりと笑い、私に見せつけるように唇に付いた粘り気のある体液を舐める。……鬼特有の潤んだ瞳が艶かしく、その色香にあてられてしまいそうだ。
「お前は、私だけのものだ。わかるな?」
「はっ、はい! もちろんでございます! あたしの身体も心も、全て無惨様に捧げる所存でございますっ……!」
「……はは。血を与えずとも、そんなことを言うようになるとはな」
「うぅ……」
……確かにそうだ。そう言われて、かあっと顔が熱くなった。無惨様との初めての夜は、あんなに拒んで……血を与えられながらでないと身体を開けなかったのに。
「ところで、気付いていたか? 私は先程、お前への支配を解いてみたのだが」
「え……。そ、そうなんですか……?」
「ああ。つまりお前は今、完全に自分の意思で私に抱かれ、そのような淫らな言葉を発しているということだ」
「う……まじですか……」
意地悪な視線を向けられ、赤面してしまう。……支配、解いたって? じゃあ何、今考えてることは全て、嘘偽りない私の本心だっていうの?