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無惨様、令和に降臨す【鬼滅の刃】

第1章 無惨様、令和に降臨す


 ……スマホを知らない人なんて、いるんだ。もしかして、山奥で仙人のような暮らしをしていたとか? 彼の小綺麗な身なりからは、とてもそうだとは思えないけど。

「えと……。平たく言うと、電話ですね」
 疑問はたくさんあったけれど、私はこう答えた。すると男は、衝撃を受けたような顔をしてしばらく固まっていた。

「電話……。電話は、このように様変わりしたのか……」
「あはは、様変わりって」
「今は西暦何年だ?」
「2019年でしょう?」
「2019……。100年も経っているとは……。年号は変わったのか? まさか大正のままではないだろうが……」
「大正? 今は令和元年ですよ。大正からは、三回変わりました。昭和になって、平成になって……今年、令和になったじゃないですか?」
「令和……。年号が三回も……」

 男は絶望を顔に浮かべ、小刻みに震えている。まるで100年前からタイムスリップでもしてきたかのような口ぶりだけど、もしかしたらテレビのドッキリ企画とかかもしれない。

「……ふふっ」
 なんだか、ちょっぴり面白くなってきてしまった。彼の目的はわからないけれど、とりあえず話を合わせてみよう。
 どのみち私は、みんながなかなか来なくて時間を持て余しているのだ。
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