第9章 無惨様、シャワーを浴びる
「先に寝床で待っているものだと思っていたのに」
「そっ、そんなこと……するわけないでしょう!?」
「身体の方は、準備ができていそうだが」
ああもう、そんな目で見つめられたら、私はまた抵抗できなくなる。頭がぼーっとして、身体が熱くなってきてしまう。深く口付けられると、私も自然と舌を差し出してしまった。
無惨様の柔らかい舌が、生き物のように這いずり回って私の口中を犯す。細い指が下着を捲って私の秘部に触れる頃には、そこはもう糸を引くほど濡れてしまっていた。
そのままベッドに運ばれ、服を剥ぎ取られ……そこから先はまあ、お察しの通りだ。
……なんで、こんなに気持ちがいいんだろう。私が鬼で、彼が始祖だから、そうなるようにプログラムされてるのかな。それとも――
もう、難しいことを考えるのはよそう。たぶんきっと、そういうことなんだ。鬼は、この男には逆らえないようにできてるんだ……。
結局、お互いに満足するまで身体を重ねてしまった。息切れしそうになりながらも、私はアラームをセットする。
明日は月曜日。無惨様を残して、朝から会社に行かないといけない――
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