第5章 100年ぶりの×××
「貴様は、何故拒む? 体はこんなにも私を求めているのに」
「だってっ、会ってすぐにこんなことするなんて……フツーに考えておかしいしっ!」
おまけに、相手はDV男だし、鬼だし。
「普通とは何だ? 何を基準にしている?」
「うう……。それは……」
「何にせよ、これから代わりの女を探しに行くのも面倒だ。お前で我慢してやるからおとなしく相手をしろ」
「そ、そんなぁ……」
我慢て! 我慢って!
なんだそれ、マジでムカつく!
なのに、服の上から乳首を弾かれただけで、びくりと体が跳ねる。小さく嬌声が漏れてしまい慌てて口を押さえると、無惨様は満足気に笑った。
そして、再び唇を塞がれる。今度は長い舌が滑り込んできた。
「んうっ……」
「もっと口を開け。生娘ではないだろうに、やり方も知らんのか?」
「うぐ~……」
苦しくなって思わず口を開けてしまうと、舌にピリッと痛みが走った。口の中に鉄の味が広がる。どうやら舌を噛み切られたようだ。
「いたい、なんで――」
その瞬間、視界が歪んだ。頭がぐらっとして……僅かに思考が停止してしまった。だがすぐに、傷口から無惨様の血を流し込まれたのだと気付いた。
「……っ、はぁっ、無惨、さま……」
「ふふ……もっと私の血が欲しいか?」
「はい……たくさん、わたしの中にください……」
「そうだ、それでいい」
一体私は、何をとんでもないことを口走ってるんだろう。冷静な自分が、自分にツッコミを入れる。普段の自分ならドン引きしてしまうようなセリフがするすると出てきてしまっている。
ほどなくして、私の舌に深く牙が突き立てられる。鋭い痛みと共に血が流し込まれ、甘い痺れがやってきた。
虚ろな目で天井を見上げる私の耳に、カチャカチャとベルトを外す音が聞こえてくる。
「あ……。だめ、やめて……」
「この期に及んでまだ抗うか。なかなかしぶとい女だ」
「だって……。嫌です……ほんとに、お願い……」
「はは、大丈夫だ。すぐに良くなる」
「う……」