第1章 小学生時代 ー三年生ー
待ちに待った正月。
クリスマスプレゼントやお年玉より待ち焦がれていたみょうじさんからの年賀状。
家族の写真が印刷してあり、端の方に可愛い字で「あけましておめでとう!こんどいっしょにあそぼうね!なまえより」と書いてある。
「みょうじ、さん……」
俺は大切なハガキを思いっきり抱きしめ、幸せな、甘い甘い胸の痛みに耐えた。
返事を書こうとしたら、色んな言葉があふれてきて書ききれないと気づく。
結局「あけましておめでとうございます。ありがとう、あそぼうね」とだけ書いて投函した。