• テキストサイズ

君に触れたい。【ヒロアカ】

第1章 小学生時代 ー三年生ー


キョトンとしているみょうじさん。

当たり前だ。

急に話しかけられて、しかも言われたことがチョコが欲しい、なんだから。










「いいよ!私の分だけど、これあげるね」







「え、いいの……?」

「うん、はいどうぞ!」











信じられなくて、今度は俺がポカンとしてしまった。




遅れて追いついてきた颯太が「よかったな」と言って俺を小突く。















差し出した手のうえに、そっと、甘いチョコが乗せられた。




その後ほとんど上の空で南公園に戻り、からかわれてもずっとぼうっとしていた。





──────────────







帰宅してからすぐにチョコをとカバンから取り出す。


















可愛くラッピングされたチョコをしばらく眺め、その甘い味を想像しながら幸せに浸った。


















「……いただきます」








そっと口に入れると舌先でとろりと溶ける。ミルクチョコレートだった。


















鼻腔をくすぐる甘い香り。









このチョコを、みょうじさんが作ってくれたんだ。

























自分の分を、俺にくれたんだ。





















甘いチョコの香りと切なく苦しい胸の痛みに包まれて、俺も口の中のチョコと一緒にとろけてしまいそうだった。






/ 21ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp