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四月十日之空

第1章    



投げられた分銅が首元に巻き付く瞬間、咄嗟に左腕を咬ませる。

ジャラジャラと冷たい音で絡まる鎖。

手繰り寄せられると有無を言わさぬ強さでガクンと頭が垂れる。

ガシャガシャッ!


「…っ!」


辛うじて頸(くび)は絞まっていないものの、窮屈な体勢であることに変わりはない。もう一本投げられたら終わる。


(…メジロが留まった)


横顔しか見えないメジロが、まるでウインクした様に見えた。


(クナイ、大丈夫かな)


目覚めが良くない、ちょっとワガママなお姫様。………あれ、オスかな。


「……狂うたか」


男たちの目には、目元を和らげて佐助が微笑んでいるように見えた。
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