第1章
当の佐助はといえば、メジロのウインクが降りかかった難とはあまりにかけ離れていて、そのギャップがおかしく感じていた。
しかしそれでクナイを心配する余裕も出てきた。
(よし、何とかしよう)
グ…ッと右足で地を踏みしめる。
鎖使いの一人は刀に持ち代え、全員が佐助へ斬りかかった。
「現代式」
「!?」
スルリと巻き付かれた鎖から抜け出して、力任せに鎖を手前へ引っ張りこむ。
たわんだ鎖をブンブンと振り回して、分銅を頬へ当て付け、1人は顔面に直撃した。鼻に当たったのか、振り返った顔には鼻血が垂れている。
「おのれ…っ!」
男たちが距離を置いて手裏剣を投げるモーションへ入る前に、脱兎のごとく佐助が走り出した。