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空白の記憶

第2章 Story-0 empty


後から考えると、とてつもなく恥ずかしい体勢だ。
足を絡めて男女が、布団に潜っている…。
でも二人には、互いにどうにかしてやろうと言う気はない。
ただ温まる為に抱き合い。滑る裸足に黒いズボンを履いた足を絡めている。
温かい息を吐き合い、腕と十本の指で相手を抱く。

(温かい…。)

空で白く広がっていた心に、一言呟かれる。
その呟きは、橙色に感じられた。柔らかい、パステルカラーだった。
しかしすぐ、白い中に溶けてしまう。空白はほんの少し彼女を抱く手を緩めた。
彼は彼女の名を思い出そうと白い脳内を走り回った。
昨日聞いたばかりの名だ。…何だっただろうか?
彼は、自分の少ない過去を振り返る。
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