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空白の記憶

第2章 Story-0 empty


鼻唄を歌う様な、賑やかな声。女の子だった。
桃色の細く柔らかい毛が目の前を掠める。
女の子が窓を開けるために振り返ったのだった。
少し離れたところにある窓に、女の子は歩いて行き、一気にバッ。と窓を開けた。
風が温かい部屋に入ってくる。
寒い。と感じた空白は布団を探した。
足元から手繰り寄せると、思い切り被る。

「起きてよ!…じゃないと、私も寝ちゃうぞー!」

温かい空間を彼が取り戻して直ぐ、冷たい肌が割って入ってきた。
ひぁっ。と、男らしからぬ声を出すと、空白は自身に抱きついてくる女の子の体を包むように抱いた。
「大胆~!」と、暴れだす女の子。彼は黙ってその体を温めた。
空間に違うものが来たのなら、同じにしてしまえばいい…。
女の子の足に足を絡めて温めている内、女の子は本当に寝てしまう。
くぅくぅと、口から音を漏らして。
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