第1章 春は出会いの季節です。
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ようやく、過酷な合宿一日目が終了した。合宿のメニューはとてもハードだと聞いてはいたものの、まさか合宿期間4日間で1000キロ走破などというとんでもないノルマだとは予想だにしていなかった。
1日250キロという距離は普段あれだけ練習している皆でもやはりインパクトのある数字らしく、合宿の内容を知らずに挑んだ1年生は皆必死で取り組んでいた。
走り慣れている皆でも達成できるのか不安になるような距離だ。
素人の私からしたらもう考えることを放棄してしまいそうなほどの数字と言っていい。
だって、1000キロって、ここからスタートしたら一体どこまで行ける?
日を追うごとに疲労も増していくだろうし、一口に一日250キロというのはきっと難しい。
改めて全国を狙うチームの練習のあり方について畏怖の念を抱く。
当たり前だけど、生半可な気持ちでは日本一は目指せないのだ。
我が総北は既に今年のインターハイ出場が決まっている。
3年生が掴みとった快挙だ。
先輩達からしたら千葉県代表になることは通過点に過ぎず、簡単にインターハイ出場権を獲得してしまったようにも思えるけれど、そんな訳はない。
実力が、努力が、なしえたことである。