第1章 春は出会いの季節です。
「飲むもん持ってたのか!良かった。暑かったから心配してたんだよ。」
「あ、ああこれは…実は助けてくれた人がいて。」
「助けてくれた人??」
「ロードバイクに乗ったアイドル並みのイケメンくんがくれたんです…」
「なんだよそれ、妄想か?」
私の発言に、手嶋先輩が笑う。
冗談だと思ったのだろう。
小野田くんもそう感じたらしく、付け加えてくれた。
「いや、ほんとに。ほんとにかっこいい人でした。僕あの時飲み物もらえなかったらどうなってたか…」
「……もしかしてがさっきからぽーっとしてんのってそのイケメンのせいなのか?大丈夫かよ、熱あるみたいな顔してるぜ。」
そう言って手嶋先輩は私の額に手を当てる。
「!」
「………おっと悪い!つい…」
「あ、いえ!心配かけたみたいでほんとにすみませんでした…」
「いや、別にいいよ大事無かったんだし。それより……」
「?」
「のイケメンくん発言で超絶機嫌悪くなった奴らがいるから、そっちの方が厄介だな…」
「え…!」