第1章 春は出会いの季節です。
「それでさ、小野田くん。提案なんだけど…私と一緒に部員必要な人数集めて、アニ研再起させない?」
「ええ!!!」
私からの提案を受けた小野田くんは驚いた様子だったけれど、その瞳からは先程の絶望の色はすっかり消え失せ、かわりにキラキラの光が飛び交っていた。
「ほ、ほんとに…?さん…。」
「もちろん!私はやっぱりアニ研に入りたい!諦めたくない、一緒にやろう!」
今度は私の決意を聞いた小野田くんが泣きそうになっている。
表情がコロコロ変わって本当に可愛い、面白い子だ。
「ありがとうさん…!アニ研が無事始動したら一緒にアキバに行こうね!!!!」
「うん!!!!!」
かくして、一時は絶望の淵に叩き落とされた私達だったけれど、同じ境遇の者同士手と手を取り合い協力することになったのだった。
一日目から、良い友達ができた。
やっぱり高校生活、うまくいくかも。
小野田くんと作戦会議をするべく自分たちの教室に戻りながら、性懲りもなくそんなことを考えていた。