第1章 春は出会いの季節です。
三人に深く下げていた頭を上げると、皆笑顔を私に向けてくれていた。
「やった、嬉しいな…!改めてよろしくね、さん。」
「よっしゃー!ホンマにマネージャーになってもろたで!!」
「納得のいく答えが出て良かったな。」
「なんやこいつ、またスカシよる…。こんな時くらい大声上げて喜べや!お前かてちゃんが部活どうするんかめちゃめちゃ気にしとったくせに!!」
「あ……みんな心配してくれてたんだね、ありがとう。」
みんなの心遣いをありがたく思う。
何でみんな、こんなに良い人なんだろうか。
「ええてええて。心配なんて未来の彼女のためならなんぼでもしたるわー」
「お前は……スイートハニーだの未来の彼女だの、どうしてそう強気でガンガン行くんだ。迷惑だとか思わねぇのかよ、ついこの間出会ったばっかなのに。」
「迷惑とかそんなん頭でゴチャゴチャ考えとったらその隙に目当ての子も横からかっさらわれるっちゅー話やでスカシ泉くん!恋は行動力と瞬発力やで!」
そう言って鳴子くんはニッと笑うと、私に今度はコソコソと小さな声で話しかけてくる。
「っちゅーわけで、晴れてマネージャーにもなるわけやし連絡先教えてほしいんやけど…」
「あ、僕も連絡先いい?アニメのこととかもメッセージで話したいし。」
「お、小野田くん意外とやりよるな…めっちゃスムーズやったで、今。」
「ん、何が??」
「無意識か!」