第1章 春は出会いの季節です。
「友情、汗、涙、努力………」
「そう。私スポーツ物昔から好きでさ……つい現実の部活にもそういうのを求めてしまって…………って!!!!!」
「あああああ、ごめん!!!!別にノート覗くつもりじゃなかったんだ、ごめんさん!!!」
部活のことばかり考え、自分の世界に没入していたらいつの間にか休み時間になっていた。
小野田くんが私の書いた恥ずかしいキーワードを読み上げる声がフェードインするのと同時、周囲の喧騒が一気に流れ込んできた。
慌ててノートを閉じ顔を上げると、目の前には小野田くん。そして両サイドに今泉くんと鳴子くん。
「あ、あれ、どうしたの二人とも。」
「一緒に昼飯どうやと思てな!このスカシ泉までついてきよったんは気に食わんけど…」
「うるさい、文句があるならお前がどこか別のところへ行けばいいだろ。」
「ま、まあまあ……。もし良かったらだけど今日は僕達と一緒に食べない?良い天気だし、外は風が気持ちいいよ。」
にこりと笑う小野田くんに気持ちがほんわり丸くなる。
小野田くんが笑うと、こちらもつい優しい気持ちで微笑み返したくなる。
私は机の横にかけてある鞄からお弁当の入ったトートを取り出し、立ち上がった。
「うん、一緒に食べたい!」