第1章 春は出会いの季節です。
鳴子くんの言う通りかもしれない。
この一週間、頭の中で色々考えては時間を浪費するばかりだった。
少し動いて刺激を受けたほうがいいのかもしれない。
「そうだね、じゃあ迷惑じゃないなら行ってみようかな?」
「!ホンマに?よっしゃー!今日は俄然やる気出るわ!!」
私の返答に鳴子くんは派手にガッツポーズ。
自分が行くと言ったことでこれだけ喜んでもらえるなんて、なんだか嬉しい。
「ありがとね鳴子くん。なんか、元気出た。」
鳴子くんて、お日様みたい。
明るくて元気で、側にいるとじんわり温かくなる。
そう伝えると、鳴子くんは笑う。
「なんやそんな風に言われると照れるなあ。けど嬉しいで。」
そう言って私の背中をポンと叩く。
「元気出んなあって思うときは遠慮せんとワイのこと呼び。いつでも元気玉注入したるから。」
「うん!」
「よしよし!だいぶええ感じやな!ワイの好きな笑顔や。」
カッカッカ、と明るく笑いながら、私の背中にあった手を今度は頭へ。
軽く髪を撫でられる。
男の子にこんなことをされるのはなかなかないので、少しドキッとしてしまった。
「そんじゃ、放課後待ってるからな!絶対来たってやー!!」