第1章 春は出会いの季節です。
その日の休み時間。
私は新たに友人になった隣のクラスの寒咲幹と話をしていた。
目が大きく、笑顔の可愛い素敵な子だ。
聞けば彼女も自転車競技部に入部希望らしい。
家が自転車店を経営しており、自転車が昔から大好きなのだそうだ。
なんだか昨日からやたらと「自転車」というワードが身近だ。
続けば続くものである。
その辺の話も細かく幹にすると、
「勝負って、そのアニ研志望の小野田くんが?裏門坂を?小野田くんてママチャリじゃないのかな?」
と、たくさん質問になって返ってきた。
「うん、そうみたい…でも詳しいことは分からないから知りたかったら本人に聞いたらいいかも。」
そう言うと、幹は早速小野田くんのところに向かい、色々と話を聞いた上で輝く笑顔を振りまき、私の所に戻ってきた。
「ちゃん今日放課後時間ある?」
「どうしたの?」
「小野田くんの勝負、一緒に見に行かない?」