第1章 春は出会いの季節です。
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「あのねさん…」
次の日学校で会った小野田くんは、早々に一人部員を迎えられるチャンスができたと伝えてくれた。
ただし、それには条件があった。
その条件を聞いた私は頭の上にいくつも疑問符が浮かんでしまうことになる。
「自転車で勝負???なんで??」
「いや……僕もよくわかんないんだけど、僕が勝ったらアニ研の部員になってくれるって言うから。だから僕、頑張るからね!!」
その自転車の勝負は今日の放課後行うと言う。
何故自転車なのかまるっきりわからなかったけど、勝負をする本人すら理解していないのだからこれ以上追求しても仕方ない。
小野田くんがもし勝てたら部員一人確保、負けたとしても失う物は特に無し。
何も問題ない。
そう思って私は彼に軽く「頑張ってね」と声をかけてしまった。