第2章 夏はまぶしい季節です。
「……手嶋さん、少し鳴子に甘すぎじゃないですか?」
「メンバーに選ばれたからにはちゃんとインハイで活躍してもらわないと困るからな。鳴子、俺も勉強見てやるよ。」
「へ、パーマ先輩て勉強できるんすか?!」
「おいおい失礼なやつだな、鳴子…。俺は一応先輩だぜ?それに俺がただ漫然とテストを受けてるわけないだろ。ちゃんと情報収集して対策してるんだよ。だから詳しいぜ、各先生のテスト傾向。」
「ほ、ホンマですかー!?!パーマ先輩神!神っすわ!!!こ、ここ!ここ座ってください!」
手嶋先輩がテストに強いらしいというのを知るなりしっぽを振って態度をガラリと変えた鳴子くん。
その様子に満足したような表情を見せて私達の輪の中に入る手嶋先輩。
「お前らもなんか分かんないとこあったら聞けよ。できる範囲で教えてやるから。」
「わあ……!あ、ありがとうございます…!」
思わぬ先生役の登場に、小野田くんと顔を見合わせて微笑む。
この際なので手嶋先輩にたくさん甘えてしまうことにしよう。
そう思い、早速わからないところの質問を始めるのだった。