第2章 夏はまぶしい季節です。
そういった経緯で、今日は部活を終えたこの時間から、皆で部室で勉強会だ。今回も例によって幹を誘ってみたものの、部活終わりは早く家に帰ってお店の手伝いをしたいらしくまたもフラれてしまった。だから今机を囲んでいるのは私と小野田くん、今泉くん、鳴子くんの4人である。
「テスト勉強以前の問題だ。鳴子、お前一体授業中に何してる?!ノートもまともに取れてないじゃないか!こんなんじゃ合宿行ってようが行ってまいが関係ないな。」
「うっさいわスカシ!せやからこうやってテスト前に余裕持ってノート移させてもろてテストのポイント教えて貰おうとしとるんやろがー!!」
「「………………。」」
相変わらず今泉くんと鳴子くんの相性がたいへんよろしくて、なかなか勉強が進まず小野田くんと顔を見合わせ苦笑していると、他の先輩が皆帰宅する中で最後まで部室に残っていた手嶋先輩が見かねたようにこちらへとやってきた。
「お前ら、テスト勉強すんのかケンカすんのかどっちかにしろよ。小野田と困ってるぞ。」
「手嶋さん……。コイツがいけないんですよ、人に頼む前にある程度普段から自分で努力すべきなんです。」
「もっともだな今泉。でも、鳴子の成績がこれ以上悪くなれば部活に悪影響も与えかねない。ある程度周りがマネジメントしてやらないといけない時期にきてるんじゃないか。インハイのメンバーなんだ。誰一人欠けても困るだろ。」