第2章 夏はまぶしい季節です。
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先日の今泉家訪問から数日。
課題プリントはなんとか皆の力でやり終え、提出することができた。
のだけれど。
それとはまた別に、あと少しでテスト期間がやってくる。
各授業、先生達が段々と「ここはテストに出す」とか「範囲はここまで」なんていうテスト前恒例の台詞を投げかけてくるようになってきた。
こうなると、普段から勉強をするという習慣が身についていない自分は徐々に、やらねば……という気になってくる。といってもそれは気持ちだけの問題であって、実際に行動に移すかと聞かれるとそれはまた別の話で。
なんといっても娯楽が多すぎるのだ、自分の部屋などは特に。
テレビがあれば撮り溜めたアニメを見たくもなるし、何があるというわけでもないのに気が付けば手はスマホをいじっている。
勉強にはある程度の強制力がないといけないのだ、自分には。実際、やらざるを得ない状況だった今泉宅での勉強は自分でも驚くほど捗った。
でも、この前は状況的に仕方なかったからとはいえ、今泉くんの家にそう何度も一人でお邪魔する訳にはいかない。いつも本当にお世話になっている今泉くんの恋路を邪魔したくはなかった。
そんなことを考えていた折、鳴子くんが「部活後に皆で部室でテスト勉せえへん?」と誘ってきてくれたのである。