第3章 錯覚
『炭治郎くん、このまま友達でいてくれる?』
なんでこんな言葉口にしたのか自分でも分からない。
きゃはは!とかわあー!とか男女が大きな声で騒いでいるのとは対照的で私は小さな声で炭治郎くんに聞いた。
「なっ、急にどうしたんだよ、」
私は炭治郎くんの事を見つめて、お互いの視線が絡み合う。
『ううん、ただ、ずっとこのまま友達でいたくて』
炭治郎くんと、その隣にいる善逸くんも頭の上に?マークを浮かばせている。
恋人にはなれなくていい。ただずっと炭治郎くんの傍にいたい。
でも本当は恋人になれたらなって思ってるかもしれない。
今本当に好きなのか分からない。
どこか心の奥に冨岡先生の事が気になっている自分がいるから。
冨岡先生が廊下を歩いている時、無意識に目で追っている。
通らないかなとか思っちゃったり、探しちゃったりしてる。
スパルタなところ嫌いなのに。
「もちろん、友達でいるよ」
『炭治郎くん……』
炭治郎くんはそう言ってくれた。
炭治郎くんの事考えていたのにいつの間にか冨岡先生のこと考えていた。
『はあ……』
いつから冨岡先生の事気になっていたっけ……
やだなあ……