第2章 補習
勉強、勉強、勉強、勉強....
昨日言われた言葉が頭に浮かぶ。
勉強っていう言葉しか言えないの?
私は溢れでそうな涙を零さないように、必死に堪える。
それに、宇髄先生が目の前にいるから絶対に泣けない。
泣かないように我慢していると手に力が入って、ポキッと鉛筆の芯が折れた。
『あ、』
私は代わりの鉛筆を使う事にした。
それから黙々と画用紙に鉛筆で色を塗っていると、宇髄先生の手が私の顔の方にのびた。
宇髄先生は私の顔に掛かっている髪を指で耳にかける。
その瞬間私は驚いて、肩を震わせた。
「派手に腫れているな。どうしたんだ?」
『え、っと、家で、つまずいて....。それでぶつけたんです』
嘘をついた。
普通に兄妹喧嘩して叩かれたって言えば良かったけど、言う気がなかった。
「気をつけろよ?せっかく可愛い顔してんだから、傷をつけたらもったいないぜ。」
『えっ』
宇髄先生の言葉に顔を赤くさせた。
私は無意識に開いた口をキュッと締めた。
女子生徒からモテている宇髄先生から"可愛い"て言われてドキドキする。
たしかに宇髄先生はかっこいい。
私も最初は宇髄先生の事が気になっていた。