第2章 補習
そのまま口付けを続けていると、舌同士が絡み合う音で、周りの音が聞こえなくなって、誰かがこっちに向かっていることにも気づかなかった。
「テスト勉強とかマジだりィ」
「なら今日もどっか寄る?」
生徒たちの会話の声がだんだん聞こえてきた所で、2人は離れた。
「あ、せんせー体育のテスト簡単にしてくださいねー」
生徒は冨岡に気づいて、立ち止まって声をかけた。
「今度のテスト体育無いよ」
もう一人の子が突っ込むと「え、そうなの?」と言った。
は2人の話を俯きながら聞いていた。
それからは2人は冨岡に他愛もない話をする。
話がおわると2人は冨岡に挨拶をしてその場から立ち去った。
は気まずくなり、自分も帰ろうかと悩んだ。
『さよなら』
小さい声で呟いて、は教室へと戻った。