第2章 補習
教室に戻ると鞄に教科書を入れて、そのまま階段を降りる。
靴箱で靴に履き替える。
途中誰とも会わずにすんで良かった。
真っ赤な顔を誰かに見られるのは恥ずかしいからだ。
校門を出ると、鞄からイヤホンを取り出してスマホにさしこむ。
いつもこうして自宅へと帰っている。
歩いていると、遠く先に赤みがかった髪をしている人物がいるのが見えた。
炭治郎くんだ、と遠くからでもはわかった。
一緒に誰かと帰っている。
よく見るとスカートを着ていて、いつも一緒に帰っている善逸じゃないとわかった。
もしかして妹かな、と思いながらは羨ましがった。
それは炭治郎と一緒に帰っていることを羨ましがってるのではなく、兄妹仲良がいいことを羨ましがっていた。
炭治郎に兄弟はいるのかと聞かれたあの時、は嘘をついた。
本当はには歳が3つ離れている兄がいる。
の兄は成績が良くて、いつも成績が良くないを見下していた。
そんな兄が嫌いで、あんな人を兄だと思いたくなくて、心苦しかったが炭治郎に初めて嘘をついた。