第2章 補習
何回目かの美術の補習をしに私は美術室に行くと、鍵が掛かっていた。
仕方ないと思って、美術準備室に行く。
そこにも宇髄先生はいなかった。
職員室に行くことにして、美術準備室から離れた。
着くと誰も先生はいなかった。
『会議かな....』
先生達が放課後に会議をするのはよくあった。
今日はもう帰ろうかな。
踵を返して、教室へと向かう。
向かっている途中、前からこっちに冨岡先生が歩いていた。
あっ....
胸が苦しい。締め付けられてて痛い。
けど、私はそのまま先生とすれ違う。
視線を足元に落として歩く。
正直に言うと、少し怖かった。
すれ違うと、と呼ばれて腕を掴まれた。
『な、何ですか....』
私がそう聞くと
「何故無視する」
『無視なんか、してません....』
また前のようにあんな事されたら、と考えると怖くなってきて声が震える。
先生の顔が見れない。
「俺は嫌われているのか」
そう言われて、先生の顔を見る。
深く青い瞳と視線が合う。