第1章 Boy's Talk ① (東堂・巻島)
「何だ何だ巻ちゃん反応が悪いな、もしかしてヤキモチかー?心配いらんよ、例えこの恋が実ろうとも俺にとって巻島裕介は生涯のライバル。最低でも3日に一度の連絡は欠かさんと約束しよう」
「いらねえよ!!誰がヤキモチなんか妬くか!!気色悪いこと言うなっショ!!」
「まあそう照れるな巻ちゃん。」
「と言うか、確実に自分が受け入れられると信じて疑わないところがお前らしいな…フラれるとは微塵も思わねえのかよ」
「フラれる??ありえんな。この俺の魅力に抗える女子がいるとは到底思えないからな。」
「………。」
(東堂が好きになった女子がもし東堂のことを好きじゃなかったとしたら悲劇だな…こいつのしつこさはちょっと度を越してるっショ…)
「まさかお前、俺にしてるみたいに数分おきに鬼電したりしてねぇよな?」
「しているが何だ?生憎携帯を携帯しないタイプの女子でな、なかなか電話に出てもらえないのだ。」
「い、今すぐやめるっショ!!着信履歴が全部お前の名前で埋まるのはマジで恐怖でしかねぇっショ!!!お前は夢中になると盲目すぎるんだよ!!」
「着信履歴が全て俺の名前で…」
「……………」
(やっと自分の愚行に気付いたか…?)
「それは……それは壮観だな巻ちゃん!!スクロールしてもスクロールしても東堂尽八…是非彼女の履歴も俺の名前で埋めつくしたい。もっとこまめに愛を囁く電話をかけねばならんな!!」
「………。」
(こいつに期待したおれがバカだったっショ。どこの誰か知らねぇが、東堂の好きな女子…悪かった、俺のせいで今日から更にあんたのところに電話が多くかかることになっちまった…本当に申し訳ないっショ…)