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【YP】ある日の彼ら

第3章 総北逆チョコ戦争〜序章〜(今泉・鳴子・巻島)




「そ………それは…。バレンタインに誰にチョコをやるかなんてあいつの自由だろう。」


「ハッ!またスカシよる。まあ精々一生そうやってスカシてろや。自分に告白してきた子の中から適当に選んだらええんちゃう?おモテになるんやし。ま、ホンマに自分の好きな子と付き合えんのかは謎やけどな」


「なんでお前にそこまで言われなきゃなんねぇんだ…!」


「スカシ見てるとイライラすんねん。好きなら好きでまっすぐいったれや。男なら直球勝負やで。」


「そんなことをお前に指図される覚えはねぇよ。第一、俺は俺で色々考えて…」


「ワイがちゃんに告白する言うてもか?」


「………………は?」


今泉の言葉を途中で遮り鳴子が言ったセリフに、怒りで顔を歪めていた今泉の表情が一瞬止まる。


「いつもみたいな適当なやつちゃうで。ホンマにド真面目に、付き合ってください言うつもりや。今度のバレンタインに逆チョコ渡してな。」


「ぎゃ、逆チョコ…」


「何もせんと、ちゃんがワイのもんになってもええ言うんやったらそこで指咥えて見とき。」


ワイのことナメたら後悔するで。


そう言い残し、鳴子は振り返りもせず部室を出て行った。
残された今泉は呆然と閉まったドアを見つめている。

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