第4章 新しい仲間
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とうとうやって来たテスト最終日。
最終科目の試験が終わると、花菜は完全燃焼したようにぐったりと机にうつ伏せた。
「お疲れー。長いテスト期間がようやく終わったねー」
「お疲れさま。あ〜気づけばもう夏休みかぁ」
柚の声に伸びをしながら答えて花菜は窓の外に目を向ける。今日も眩しい太陽が烏野の校舎を照らしている。
「花菜は今日からバイトだっけ?」
好物のいちごみるくを片手に柚が言った。
柚の言葉にうんと頷き、花菜は散らかった筆記用具を片付けた。
「夏前と休み中には東京遠征があるからその前に1回はシフト入れて慣れておこうと思って」
「これまた大変になりそうね。たまには息抜きもしなさいよ?」
「分かってるって」
と言っても花菜にとっての息抜きとは、みんなのバレーを近くで見ていることなのだが。
「じゃあ柚、また明日ね」
ぶんぶんと大きく手を振って花菜は身を踊らせながら体育館に向かった。
このテスト期間中に、仁花の正式入部が決まったそうだ。何だか親と一悶着あったようだが、仁花も日向の言葉に吹っ切れたようだった。
ついにマネージャーの後輩が出来たのだ。頼られる存在になれるように頑張らなければ、と花菜はより一層気を引き締める。
体育館の扉を開けると既に数人の選手たちがいて、各々アップを始めていた。
「花菜さん、時間大丈夫っすか」
「わっ!もうこんな時間!?」
影山に言われて花菜はハッと時計を見上げる。
部活をやってると本当にあっという間に時が過ぎてしまう。今後も気を付けなければ。
今日は部活を少し早めに上がり、そのあと直行でバイトの予定なのだ。