第4章 新しい仲間
挨拶を終えた仁花を見送ったあと花菜は清水に声をかけた。
「潔子先輩、新しいマネージャーの勧誘してくれていたんですね」
「うん。4月にやった勧誘は全然足りなかったなって思って。烏野がこれからもっと強くなるためにマネの仕事もちゃんと引き継いでいかなきゃって思った」
「清水さんっ」
「うぅっ」
清水の言葉にメンバーたちは次々に感動の涙を流す。
そんな大変な仕事を彼女ひとりにやらせていたなんて、後輩として不甲斐ない。
「すみません。私ももっと気づいて協力していれば…」
「ううん。花菜ちゃんは謝らないで」
「でも、」
「それにね今回の勧誘は花菜ちゃんのためでもあるから」
そう言って花菜の肩にポンと手を置くと清水は優しく微笑んだ。
「もうすぐ花菜ちゃん、部活と両立してバイトを始めるでしょ。花菜ちゃんのことだからバレー部の心配をして気を使っちゃうんじゃないかと思って」
まさかそれでわざわざ新しいマネージャーを探してくれたのだろうか。
「マネを増やすことで花菜ちゃんの不安をちょっとでも取り除きたかったの」
背後に女神が見えた。
言葉にならない感動が花菜を襲う。
本当になんて素晴らしい人だろう。こんな素敵な先輩を持てた自分は本当に幸せ者だ。
「ありがとうございます、潔子先輩……っ!」
驚きと嬉しさと清水の優しさに花菜は胸が一杯になった。