第4章 新しい仲間
「あの、ちょっといいかな」
練習を進めていると体育館の入り口の方から清水の声がした。
清水が今日の練習に遅れるという話は聞いていたが、何かあったのかもしれない。
そんな清水の後ろにはもうひとり見たことのない女の子が立っていた。ぱっと見た感じ、1年生だろうか。
「新しい人、見つかったんすね!」
と、日向の声が響く。
新しい人?
「なになに?」
「なんすかー?」
日向に続いて部員たちが続々と清水の元に集まった。
「えっと、新しいマネージャーとして仮入部の…」
「や、谷地仁花ですっ!」
やってきたのは、新しいマネージャー候補の女の子だったようだ。
「おぉ!」
「まじか、すげぇー!」
「1年生?」
「い、1年5組でありますっ」
澤村や菅原も新しいマネージャー候補を嬉しそうに歓迎した。
初見の東峰にビビったり、田中西谷の視線に驚いたりとなかなかリアクションが面白い女の子だ。
部員たちに先を越される前にと花菜はキラキラした目で仁花の手をとる。
「2年マネージャーの結城花菜です。よろしくね仁花ちゃん!」
「は、は、はいっ!でもあの…」
面食らう仁花を庇うように清水が慌てて声をあげた。
「ま、まだ仮だから。あと今日は突然お願いして急遽委員会の仕事の前に来てもらったから、今日は顔見せだけ」
「よ、よろしくお願いしゃす」
「「「しゃーっす!!」」」
「ひいっ!」
「な、慣れるまでは取り囲んでの挨拶はやめて」
慌てる潔子先輩も新鮮でお美しい。
それにしてもいつのまにマネージャー勧誘なんてしていたのだろうか。清水が花菜への相談なしに動くのはかなり珍しいことだ。
「お、お邪魔しました」