鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第11章 :番外編 夜会❶〜彼女のパートナーは誰?〜
----------------------------
『お待たせ!ごめんね〜待ち疲れたよね?』
白い服に戻ったリンが、ジャンのテーブルに駆け寄る。
「ドレス決めたんですか?」
『うん、形はね!でも色は女子の意見も欲しくて、保留にしたの。』
「リンさん、白好きですよね?ドレスは白にしないんですか?」
『白いドレスは…花嫁が着るものでしょ?』
「…リンさんもそういう事、考えるんですね。」
『もう!私の事、何だと思ってるの?私だって、女の子なんだからね!!』
腰に手を当て、背の高いジャンを上目遣いで睨む。
「ぷはっ!」
口を膨らませて怒る姿も可愛くて、ジャンは思わず吹き出した。
『何がおかしいのよ?』
「いや…可愛いなと思って。」
『えっ?』
キョトンとした顔で見つめられ、ジャンも慌てて自分の口に手を充てた。
(ヤベッ!つい本音が…)
『…絶対、褒めてないでしょ?』
「そんな事ないですよ。」
笑いながら答えた。
『もう…ねぇジャン、次は何処に行く?』
「俺、腹減りました。」
『そっか、そうだね〜じゃあご飯食べに行こう!』
リンとジャンはサロンを出て、食事処に向かった。
『何食べたい?何もリクエストなければ、私のオススメのお店に行かない?』
「何処でもいいですよ、お任せします。」
『OK!じゃあ行こう!』
着いた場所は、見た記憶のある建物だった。
淡いミントグリーンの壁に赤い屋根・白い出窓がある、あのお洒落なカフェレストランだった。
「ここって…この間来た、レストランですよね?」
『うん!ここホントはね…肉料理が有名なの。サシャには内緒ね!』
「了解っす!」
唇に人差し指を1本立て、悪戯っぽく笑うリンに…ジャンは苦笑しながらコクリと頷いた。