鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第11章 :番外編 夜会❶〜彼女のパートナーは誰?〜
「美味い!!何だこの肉…すげぇ柔らかいっすね!」
『でしょ?喜んで貰えて良かった!今日は付き合って貰った私の奢りだから、沢山食べてね!』
リンは美味しそうに肉を頬張るジャンに、ニッコリ笑いかける。
『ところで…ジャン、ミカサの事好きでしょ?』
ブハッ!
ゲホゲホゲホゲホ
ジャンは少女の質問に盛大に吹き出し、激しく咳き込む。
「なっ…何で!!」
『気付かないと思った?バレバレだよ!ご飯食べに行った時も、ミカサしか見てなかったでしょ?』
未だ咳き込むジャンに、飲み物を差し出す。
「いや、そんな事は…」
(リンさんも見てたし…)
『あの時気付いてないのは多分…ミカサ本人と、エレンくらいじゃないかな?』
「マジかよ…」
コニーとサシャにも気付かれてた事が相当ショックだったらしく、ジャンの食べる手が止まる。
『ミカサはエレンが大切だけど…』
「分かってます、叶うと思ってません。」
『そう?ミカサのエレンへの気持ちは、まだ家族としての思いじゃないのかな?それにエレンもミカサの事、家族として大切にしてるみたいだし。』
「いや〜無理っすよ!俺の事なんて全く眼中ないし、ミカサの方が強いから俺が守る必要もないし…。」
肉にかぶりつきながら、面倒そうに答えた。
『…ふ〜ん、その程度の気持ちなんだ?だったら諦めれば?』
「えっ…」
突然冷たい声で返され驚き…フォークに刺していたポテトが、ポトリと皿に落ちた。
『ミカサと血縁関係はないけど、私にとっても大切な家族なの。ジャンが頑張るなら、私も応援しようと思ったのに…ガッカリした。』
リンは無表情で、黙々と食事を再開させる。
「あっ…えっと、応援して…くれるんですか?」
タジタジになりながら、少女を見つめる。
『本気ならね!』
リンも真っすぐ見つめ返す。
「俺、本気です…頑張ります!応援して下さい。」
『うん、いいよ〜頑張れ!』
手を目一杯伸ばし、ジャンの頭をグシャグシャと撫でた。
笑顔が戻った少女に、ジャンは密かに胸を撫で下ろしたのだった。