鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第11章 :番外編 夜会❶〜彼女のパートナーは誰?〜
〈 街の洋服店〜ジャンside〜 〉
ふとガラス越しに隣の部屋の少女を見ると…ハンスや女性店員と、親しげに話している姿が見えた。
(リンさんは謎が多いな。)
心の中で呟く。
「…俺もどうするかなぁ。」
大きなため息を吐いた。
『ジャンお待たせ〜!』
出された紅茶と菓子を口にし、ボーッと外を眺めていると…突然横から話しかけられた。
顔を上げると…
少女は淡いピンク色の、可愛らしいドレスを身に纏っていた。
(ッ?!…めちゃくちゃ可愛い!)
『似合うかな?』
ドレスに身を包んだ少女は、優しく微笑んだ。
『これ【フィッシュテール】って型のドレスでね、前後丈の長さが違うの。』
そう言って、その場でクルリと回って見せる。
確かにそのドレス丈は…前が短く足が膝まで見えて、後ろは長い。
『夜会は、この形のドレスにしようと思って…』
「あっそういえば【夜会】って何ですか?」
『あっごめん!ちゃんと説明してなかったね。【夜会】ってね〜貴族や兵団の偉い人達が集まって、美味しい物を食べるパーティーなんだよ。』
「はぁ…」
(美味しい物を食べる会??)
『まぁ実際は…貴族の家自慢や、資金集めする場所みたいだけどね〜。』
「そうなんですね。リンさんは、以前から夜会に参加した事があるんですか?」
『うん、あるよ!かなり幼い頃からね〜。ねぇそれより…これどうかな?可愛い?』
再度クルリと回ると、ドレスの前後丈もふわりと回る。
「似合いますが、その…足が出すぎでは?」
ジャンはリンの前裾から覗く、細くて白く綺麗な生足が気になり…凝視する事が出来ない。
『ん〜リヴァイといい…男の人ってどうしても、女性の足が出てるのが気になるみたいね〜。…ジャンのエッチ!』
最後の言葉だけ、そっとジャンの耳元で呟いた。
「ッ?!ち、違います!俺は…」
『嘘だよ。…これはこういうドレスだし、当日はちゃんとストッキングも履くから大丈夫。心配してくれて、ありがとう!』
ふふと悪戯顔で小さく笑い、隣へ戻って行った。
(ヤバイ…可愛過ぎて、心臓が痛い…)
撃沈したジャンだった。