鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第11章 :番外編 夜会❶〜彼女のパートナーは誰?〜
〈 調査兵団〜エルヴィンside❷〜 〉
私はリヴァイのパートナーにと考えていた。
リヴァイは夜会でとても人気がある。
だが地下街出身ゆえか極度の潔癖症ゆえか…貴族が大嫌いで、愛想良くする事さえ嫌がる。
誰をパートナーに選んでも、結局貴婦人達に囲まれてしまい…いつも夜会では不機嫌顔だ。
だから彼女がリヴァイの側にいてくれたら、少しは印象良く見えるのでは?という狙いがあった。
リヴァイは彼女の前だと、表情が緩むからな。
それにリヴァイのパートナーにすれば、私も彼女とダンスを踊る事が出来る。
実はそれが1番の目的だったりする。
結局私もリヴァイやハンジと同じく、彼女に参っている。
恐らく恋愛感情ではない…ただ可愛くて愛しい妹を、側に置いて見守りたいのだ。
そのためには…リンを夜会に誘った人物を、特定する必要がある。
団長という立場上…命令は出来るが、自分で動く事はとても難しい。
だが私にしか出来ない事がある。
「エルヴィン団長、その書類がお待ちかねの情報です。」
「すまないな、助かった。」
エルヴィンはその情報を読み、瞠目する。
「なるほど…確かにあの方からの願いなら、彼女も私たちも拒否するわけにいかないな。だが…こちらも諦める訳にはいかない。」
読み終わると紙にサラサラと何かを書き、印を押すと…情報を持って来た兵士に渡した。
「これを駐屯兵団に、届けて欲しい。」
「了解です!」
思案顔だったエルヴィンの表情が柔らかく変化し、兵士は満足そうに執務室を出て行った。
「さて…我々の愛しの姫君は、そろそろ見つかったかな?」
他の者に、パートナーは渡さない!
改めて決意するエルヴィンだった。