鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第11章 :番外編 夜会❶〜彼女のパートナーは誰?〜
〈 調査兵団〜エルヴィンside〜 〉
「…ちょう?…団長?……エルヴィン団長?」
「ッ?!…あぁ、すまない。新しい書類だな。」
「団長、少し休まれてはいかがですか?」
「いや…」
疲れてるわけではない。
年の離れた妹のように可愛がっている少女が、夜会のパートナーを兵団外で探してるというモブリットの情報は…正直寝耳に水だった。
夜会の招待状が来る前から、リンを参加させる事は決めていた。
ハンジは完全に【資金集め】目当てだと言っているが、正直それも間違いではない。
だが本当は…
【可愛いリンを皆に自慢したい】
それが1番の理由だった。
勿論私のパートナーにする事は、出来ない。
私は調査兵団:団長…資金集めの為に愛想を振りまいたり、奉仕しなければならない。
そんな姿を隣で見られるのは御免だし、何よりあの子を晒し者にするのも嫌だ。
彼女は東洋人の美少女。
何の後ろ盾もない彼女が、団長である私の隣にいては…どうしても目立ってしまう。
そして目立ってしまえば、周りに紹介せざるを得ない。
自慢はしたいが…あの純粋無垢な少女を、大人達の醜く邪な目で汚したくないのだ。