鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第11章 :番外編 夜会❶〜彼女のパートナーは誰?〜
「エルヴィン!!」
壊す勢いで激しく扉を開き、駆け込むハンジにエルヴィンは顔を顰める。
「ハンジ。扉はノックをしてから、静かに開けてくれといつも…」
「それどころじゃないよ!!」
執務机を勢い良くバンッと叩いた。
「うるせぇぞ、クソメガネ!てめぇは黙って、始末書と報告書を片付けてろ!」
丁度エルヴィンのサインを貰いに来ていたリヴァイが、腕を組んで机に寄りかかり…ハンジの騒がしい声に顔を歪ませる。
「リヴァイだって、聞いたら絶対驚くよ!…エルヴィン、次の夜会ってもう決定してるの?」
「ん?あぁ…今日招待状が届いたから、お前達にも今夜話をしようと思っていたが…」
「その夜会に、リンを連れて行くの?」
「確かに今回、その事は考えてはいたが…まだ彼女に何も話していない。」
「え…そうなの?じゃあリンは誰と、夜会に参加するんだろう?」
「彼女が参加すると言っていたのか?」
「あ〜モブリットが…」
ハンジを急いで追いかけて来て、息を切らしたモブリットを見つめる。
モブリットは上がる息を落ち着かせ、口を開いた。
「先ほどリンに会ったんです。その時【夜会のパートナーを探している】と言っていて…」
「あ?どういう事だ?」
興味なさそうに新しい書類に目を向けていたリヴァイも、モブリットに詰め寄った。
「それで?」
「【調査兵団は皆忙しそうだから、他で声かけてみる!】と言って消えました。」
「「「なっ?!」」」
(何だと!まさかさっきアイツが部屋に来たのは…俺をパートナーに、誘うつもりだったのか?!)
(まさか…他の兵団として、参加するつもりか?それは色々と困る…)
(次に夜会へ参加する時は、私が男装してリンのパートナーに立候補する予定だったのに!!)
エルヴィンは立ち上がり、3人の顔を見回す。
そして…
「リンを一刻も早く、捜し出せ!」
「了解だ!」
リヴァイは手に持っていた書類を机に置き頷く。
「勿論だよ!!…ところであの子は一体、何処に行ったんだろう?」
(仕事がどんどん溜まっていく…)
3人がリンの向かった先を考えてる中、1人だけ現実的なモブリットだった。