鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第11章 :番外編 夜会❶〜彼女のパートナーは誰?〜
コンコン
扉をノックして、リンは執務室に入る。
『リヴァイ、おはよう。…今忙しい?』
「あ?見て分からねぇか?」
書類の山に埋もれそうなリヴァイが、不機嫌そうに答えた。
『そうだよね…ごめん。』
珍しく何か悩んでるように感じたリヴァイは、書類から目線を外し…リンを見つめた。
「…何かあったか?後で聞いてやるから、もう少し待ってろ。」
『ううん、大丈夫。邪魔してごめんね!』
そう言って少し笑うと、静かに部屋を出て行った。
(何だ?少し片付いたら、茶でも淹れてやるか…)
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『あっモブリット、おはよう!』
笑顔で駆け寄る。
「リン、おはよう!」
『モブリットも忙しそう…。それハンジの?』
腕の中にある、沢山の書類を凝視する。
「あぁこの書類全て、分隊長のだよ。巨人捕獲の際の、始末書と報告書の修正指示なんだ。」
『じゃあ、ハンジも忙しいね…』
「そうだけど…何か悩み事かい?」
『ん〜相談したい事があったんだ。パートナーを見つけなきゃいけなくて…。』
「パートナー…何の?」
『夜会。』
「えっ?夜会って…君も参加するのか?」
『うん…約束しちゃったからね〜。でもここは皆忙しそうだから、他で声かけてみる!』
そう言って少女は消えた。
「えっ?あっ、ちょっ…」
(夜会に参加する約束?誰と…)
「モブリット、探したよ〜!他にも手伝って欲しい事あるんだから、早く戻って…ってあれ?それまさか…追加の書類?」
「あっ、そうです。」
「もう書類は要らないよ〜!!」
ハンジは髪の毛を、激しくグジャグジャと混ぜ叫んだ。
「仕方ないですよ。今回の捕獲は、完全な単独行動ですし。それより…次の夜会って、もう決定してるんですか?」
「えっ?あ〜どうだろう?私はまだ聞いてないけど…壁外調査も終わったし、そろそろやってもおかしくないかな?何で?」
「リンが、夜会のパートナーを探してると言っていて…。」
「はぁ?待て待て待て〜!聞いてな〜い!」
ハンジは凄い形相で叫びながら、エルヴィンの執務室へ猛スピードで走り向かった。