鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第1章 :絶望の地に、美少女舞い降りる
「ん〜いい匂いがする。いつもと違うね!…ん?!何これ、めちゃくちゃ美味いよ!!」
「?!あぁ…悪くねぇ。」
「うん、美味しい!!」
ハンジ,リヴァイ,エルヴィンは口々にそういい、スープを啜る手が止まらない。
3人はあっという間にスープを完食してしまった。
『ナナバ、もういい?…えっ?!』
リンはエプロンを外し席に戻る。
ふと目線を上げるといつのまにか自分が座っていた席に人が増え、しかも1番会いたくなかった男が少女を見つめている。
『あ〜!あの時の、目付き悪いチビ!』
リヴァイを指差し、叫ぶ少女。
「あ"ぁ?てめぇの方がチビだろうが!!」
キレるリヴァイ。
「アハハハハハ〜!!目付き悪い…チビだって〜!!」
リンの言葉に反応しハンジだけが手を叩いて爆笑しているが、食堂の兵士達は凍りついている。
(あの子…兵長にチビって言ったぞ!勇者だ…)
思ってる事は一緒だが、誰も口には出せない。
リヴァイは爆笑するハンジの頭を思いっきり殴り、強制的に黙らせる。
『私、帰る!!』
「あ〜待ってリン!エルヴィン、内地から貰って来たお菓子って、まだある?」
「あぁ、沢山ある。今日もまた貰ってね…どうしようかと思っていたんだ。」
「団長…彼女は甘い物が大好きなんだ。」
そうナナバが耳元付近で囁くと、それを察したエルヴィンがリンにニッコリ笑いかける。
「良かったら私の部屋で、デザートはいかがかな?沢山貰って困ってるんだ。食べてくれると助かる。」
『お菓子が沢山あるの?……食べる。』
リンは素直に頷き、エルヴィンについて行く。
「超可愛い上に素直で面白い…最高だよ、彼女!!」
ハンジは未だ笑いが抑えられず、睨むリヴァイを無視してエルヴィンの後に続いた。