鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第1章 :絶望の地に、美少女舞い降りる
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「はい、どうぞ!どれでも好きな物を食べてくれ。」
『ありがとう!』
リンは初めて笑顔を見せた。
そして目をキラキラさせ、テーブルに置かれたお菓子を物色し始める。
(笑顔…めちゃくちゃ可愛い!!)
(ほぉ、悪くねぇ…)
リヴァイはフッと笑い、エルヴィン,ハンジ,ナナバは可愛く笑うリンを見て、頰を緩ませる。
「改めて…私はエルヴィン・スミス。この兵団の団長だ。彼はリヴァイ。この兵団の兵士長だよ。」
1人用ソファーで足を組み…お茶を飲むリヴァイも紹介するが、リンは全くそちらを見ない。
「オイ!自己紹介してる時くらい、こっちを見ろ!」
『顔が怖いからイヤ…』
「顔は生まれつきだ!」
リンは相変わらずリヴァイの方は見ず、選んだお菓子を口に含む。
『?!ん〜〜!!めちゃくちゃ美味しい!!』
フォークを持ったまま、手足をバタつかせる。
(ホント可愛いな…この子。)
4人は笑顔で食べ続けるリンから目が離せずいたが、聞きたい事が山ほどあったハンジが真っ先に質問をする。
「私はハンジ、ハンジ・ゾエ。君はリンって言うんだね!君と会うのは二度目だけど…あの時は壁外で、何をしていたの?」
『怒ってるの?勝手に巨人と戦ったから…』
リンは菓子を食べる手を止め、ハンジを見つめる。
「怒ってないよ。ただ疑問に思ったんだ。君は立体機動装置も付けてなかったし…どうやってあそこまで移動し、何をしていたのかな?」
『りったいきどうそうち…って何か知らないけど、そんな物なくても飛ぶ事は出来る。あの時は…実験してたの。』
「実験?」
『私は巨人で死ぬ事は絶対ないし恐怖もないけど、やっぱり壁外を自由に歩くには邪魔だし…どうやったら倒せるか試してた。』
「えっ?!絶対死なない?」
全員がリンを凝視する。
「ッ…どうして死なないの?巨人は人間全てを敵と見なし、誰彼構わず攻撃して食べようとするのに。どうして君は絶対死なないなんて、断言出来るの?」
『…そういう契約をしてるから。それ以上は言えない。』
リンはまた黙々とお菓子を食べる。
「契約…」
エルヴィンは顎に手を置き、興味深そうに呟く。