鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第10章 :少女とハンジの試み〜壁外調査:後編〜
エルヴィンとリヴァイ班はアンカーで壁上に登り、捕獲終了した巨人を見下ろすハンジに近付いた。
「ハンジ!」
エルヴィンは怒りを少し含めた強い口調で、ハンジの名を呼ぶ。
「エルヴィン?!あちゃ〜やっぱり気づいちゃったか。」
「クソメガネ…勝手に単独行動しやがって。てめぇは班長だろうが!」
リヴァイはハンジの頭を、思いっきり殴る。
「痛って〜!!悪かったよ〜でも言った通り…犠牲無しで巨人、捕獲出来ただろう?それも認めてよ!」
「それは認める、よくやった!しかし駐屯兵の精鋭を巻き込んだのは、どういう事だ?犠牲は出ていないが、他兵団に迷惑がかかっている。」
「それは…」
「エルヴィン団長、それに関しては私に話をさせて下さい。」
リコはスッとエルヴィンの横に立ち、敬礼した。
「君は…」
「私は駐屯兵団:精鋭班の班長、リコ・ブレツェンスと申します。私達は友人:リンの願いで配置変更をしただけで、仕事に支障はありません。また今回の件は、上の許可も取っています。」
「上の許可?」
「ご存知ないようなので、念の為お伝えしますが…彼女は私達の上司である司令の【孫】らしいですよ?」
(まさか…リンはピクシス司令とも、知り合いなのか?)
「司令もこちらに?」
「ええ。巨人を捕獲したところをご覧になり、その後呼び出しにより戻られました。」
「そうか…。今回の報告書と部下が世話になった詫びは、必ずすると伝えてくれるかな?」
「了解しました!」
その後エルヴィンとリヴァイは、リヴァイ班とハンジ,モブリットに素早く指示を出し…捕獲した巨人を連れトロスト区へ戻って行ったのだった。